抜け駆けしてこっそり近づきたい

触れたい衝動。

 

朝7時。

まだ彼の外側しか知らないわたしが目が覚めると同時に思い浮かんだことは、彼にもっと近づきたい、ということでした。

 

初めて見た時からずっと目で追ってしまって、

あっという間に彼の魅力にのみ込まれてしまって、

視界に入ると胸が高鳴るのを抑えられなくて。

 

人気者の彼の周りには常に人がいたから、二人きりでいれるチャンスは一度もありませんでした。

でも、もっと、もっと、もっと、近づいて、色んな彼を見てみたい。

 

そんな衝動に駆られるがままに、朝一番に一人で彼に会いに行きました。

 

とてもよく晴れた日でした。

朝のひんやりとした空気の後ろに、今日も暑い一日になりそうな日差しが待っていました。

 

ずっと憧れで、とても遠い存在だった彼。

でも今は、手の届く距離にいるんだって考えたら、無性にドキドキして、少し駆け足で、彼がいるその先へと向かいました。

 

初めて彼に届きそうになった時、あまりにキラキラまぶしくて、

「ぬおお、う、美しすぎるんですが…!(にやけ顔)」

と思わず口からこぼれそうでした。

 

ゆるやかな丘の上にいた彼は絶するほどの美しさで、

「いっえーい!この景色ひとりじめ、最高ひゅーう!(ノリノリ)」

と、彼を独占している錯覚に陥ったこの時間が、とてもとても幸せに思えたのです。

 

色んな角度から彼を見てみたくて、

「ちょ、この角度からの茶、いいっ!!!(鼻血)」

と、立ったり座ったりそわそわしたり。

 

色んな表情を見せる彼を見てると愛しくて、

「この緑の輝き、いったいなんなんですかね!!!(緑LOVE)」

って思わずこっちまで笑顔になったり。

二人きりで一緒に居れたのが、嬉しかったんだよ。

 

でも、もう終わり。

本当に少しの時間だった。

幸せな時間はいつも長くは続いてくれない。

 

まだこれからも毎日彼と過ごしてみたかったけど、今日、別の街に行くと決めました。

いつかは離れなきゃいけない。

なら、今、この一番綺麗に残るままで、離れよう。

 

気にしないように気にしていた時計をちらっと見て、次の街へ一緒に行く彼らのことを想いました。

「ちょっくら茶畑堪能してきまーす!一時間後に連絡しまーす(*´∀`)」

って約束したもの。それを破るなんてこと、出来ないよ・・・

 

すごくキレイな思い出を、ありがとう。

心を動かしてくれて、ありがとう。

小さくなっていく彼を後ろに、そう想ったんだよ。

 

彼の周りには、素敵な景色で溢れていたんだよ。

「hello!money!もしくはschool pen!(無邪気)」

って笑顔で手を差し出してくるたくさんの子どもたち。

 

「親うしろで笑ってるだけで何も言わないんかい!逆に◎」

ってちょっと苦笑したっけな。

 

それも含めて彼のいる世界。

 

また会える日まで。

次は二人じゃなくて、君の大事な茶摘みのおねーちゃん達も一緒に・・・

 

茶畑様ラブストーリー第一章 —完—

 

愛読書は別冊マーガレットなわたしですすみませんでした(激しく土下座)

 

★1スリランカルピー=0.78円

 

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