日本にいたとき、私はとても強かった。
なにかに頼る事なんてなかったし、ちょっと弱ってるかも…って思っても、
すこし特別なことをすればすぐに元通りだった。
だから、今の私に驚いている。
カナダに来たばかりの頃はよかった。
毎日が楽しくて、天気も最高で、なにも心配する事や不安になる事なんてなかった。
日本にいたころと変わらず、私はとても強かった。
人肌恋しいこの冬の季節になって、異国の地このカナダで、
私は初めて、弱い人間だと知った。
今まで見た事もない、感じた事もない、考えた事もない、悩みにぶちあたった。
一人では解決出来そうになかった。
何かに頼らなければ、すがらなければ、ここからは抜け出せないと思った。
でも、頼るものなんて何も持ってない。
ずっと頼らず生きてきた私は、何も持っていなかった。
大切にするとか、大事にするとか、
そういうのをずっとおろそかにしていた。
ちょっと面倒だなって、必要ないって思ってた。
なんでもいいのにな。
ここから抜け出せればなんでもいいのに。
お金で解決出来るのならば、それでもいい。
そこまで考えて、ふと、目を部屋の棚に向けると・・・
そこにはカナダにいる友達からもらった誕生日プレゼントがあった。
飾ってばっかりで、全然使っていなかったものたち。
すっかり忘れてた。
ハンドクリームを手に塗りながら、これをくれた友達にとても感謝した。
なんだか、ちょっと落ち着いたんだ。
でも、それも長くは続かなかった。
一部分はよくなっても、やっぱり自分は弱いままだった。
もっと、回復させてくれる何かが欲しかった。
こうなったら、もう止められない。
私はすぐさま街にでた。
正直、なにが一番いいのかも分からない。
でも、私は衝動的に、手に入れてしまった。
もっと回復させてくれるものを、お金で買ったんだ。
だって、自分の力じゃどうしようもできなかった。
これ以上弱っていく自分を見るのが怖かった。
そのあとは、とても調子がよかった。
強い私に戻れたわけではないけれど、
頼る事を知った私は、もう大丈夫だって思った。
カナダの厳しい冬も乗り切れるって思った。
でも、夜になると、やっぱりだめなんです。
いくら、周りを固めたって、どんなに心地よく寝ようと色々試したって、
苦しくって、何度も夜中に目が覚めてしまう。
そのたびに、私はすごい勢いで水を飲んで、
布団を頭までかぶって、必死に寝ようとする。
なんでなのか、知ってるんです。
どうすればいいのかも、知ってるんです。
でも、できない。
私はもうこれ以上、お金で解決はしたくない。
何度思ったかな。
君が隣にいれば、もっと楽になるのに。
ぐっすり眠る事もできるのに。
今の願いは一つだけです。
加湿器、下さい。
夜も暖房つけっぱなしにしなきゃいけないこの苦しみから、
どうやって抜け出そう。
『第一話:カナダの乾燥はとんでもないぜぇ』—完—
ぱちぱちぱち(*´∀`)
というわけで。
カナダは外も中も、激☆乾燥なのでビーケアフル!!!
って言う話でした。
え、どゆこと!って方はお手数ですが、乾燥について熱く語っていると理解した上で、もう1度はじめからお読みいただければ幸いです。
いや~なんだこれ。てか、濡れタオル干せばいいんですけどね(*´∀`)
★1$=89円
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