ロンボク島からコモド島へ行く4日間ボートツアー、3日目!
続いてのアクティビティは、コモド村ー(*´∀`)
だったのですが、その話は特にありません(笑)
今回はタイトル通り、わたしが海外で外国人に「日本人が大嫌い」だと言われた話。
「へー、この小さなボートでコモド村まで行くんだー!」
「そうだけど、ねえ、他にこの船から村に行く人いないの?フレンドは?」
「なんかフレンドは、船に残るみたい♡」
「えー!ひとり!?ちょっとそれは・・・」
「って言われても、他の人たちはほら、あっちの小ボートに乗ってるしさー」
「他にもいないか、聞いてみてよー」
「いや、あんた働きなさいよ(笑)」
コモド村まで連れて行ってくれるはずのボートのお兄さん、ごねてます。
ひとりでVIPにボート貸切なんてことはできないようで、もう仕方ないなぁ・・・
誰か〜、他にビレッジ行きたい人〜?
はい、いないってー(*´∀`)←適当
「あれ!?あっちのボート、もう行っちゃったの!?」
「あ、もう行ったみたいだよー!でもこっちにもボートあるよ!」
「同じ値段・・・?」
「うん、そうそう、一緒に行こうよ〜♪」
ということで、ベルギー人の彼女とボート貸切でコモド村へ!(*゚∀゚)=3
いやっほーう、これはこれでVIP!
「うわー、これすごくいいねー!サンセットも綺麗!」
「写真撮ろうよ、写真ー(*´∀`)」
ひとり旅中の、ベルギー人の彼女。
あまりデッキには出てこないけど、何度か会話をしたことがありました。
自分の意見がはっきりしていて、そしてすごくフレンドリーで話しやすい子です。
夕日を見ながら、写真を一緒に撮ったり、何気ない話をして笑ったり〜♪
しばらくして彼女が言ったんです。
「あなた、日本人なんだよね?」
「そうだよー!」
「わたし、日本人大っ嫌いなんだよね。」
・・・・。
え!?この和やかな雰囲気からいきなりの!?( ̄▽ ̄;)
夕日を見ながら二人きりの場所で、面と向かって言い放たれた言葉。
そんな瞬間、ここまで4年近く海外にいて、初めてでした。
「あーー・・・そうなんだ。なんで?」
「わたしさ、イルカが大好きなんだよね。」
「ほうほう」
「日本人って、イルカ殺してるでしょ」
「・・・うん?」
「世界中から反対されているのに、イルカはすごく頭がいい生き物なのに、どうして殺しているの?」
日本「人」が嫌いって言っていたから、何か直接イヤなことされたりしたのかなと思ったけど、なるほど。
日本人は、イルカを殺すから大嫌いってことか。
あーー・・・
あの・・・
できればもう知ってるふりをして、すごくすごくごまかしたいんですけど・・・
え?日本って、イルカ殺してるの?( ̄▽ ̄;)
どうしよう、この子が何のことを言っているのかわらからない!!!
どこで?なんのために?イルカって食べれるの?
いやでも、今までイルカが売られているの見たことないし、友人の中でのイルカ食べたなんて話も、一切聞いたことないし・・・!?
あ、もしかしてよく聞かれるクジラの話?
「えーっと・・・ごめん、クジラの話じゃなくて?」
「違うよ、ドルフィン。え!?知らないの!?」
「ご、ごめんちょっとわからないや・・・」
「えええ!?」
話を聞いていると、彼女は日本のイルカ漁について、猛烈反対しているみたいです。
「わたし、日本政府にも抗議の電話したんだよ」
「そうなんだ。政府はなんて言っていたの?」
「まぁ、なんか一応話はしたけどって感じで・・・」
「そう・・・ごめんね。わたし日本人なのにこんなのすごく恥ずかしいんだけど、正直今なんのことなのかわからなくて、あなたの話を聞くだけしかできない・・・、でも街に着いたら、調べるね。」
なにこの返答。
どうしよう、日本人としてものすごく恥ずかしい・・・あああ消えたい・・・!
そんなことを思っていたら、彼女は変わらないペースで続けて言いいました。
「だから日本人って、すごい野蛮なイメージがあって大嫌いだったんだけど」
「ああ、うん、そ・・・」
「でも、あなたを見てイメージ変わったなー。そういう日本人を知れて、嬉しい」
この後、わたしたちは一緒にコモド村を回りました。
彼女が、話の最後に行った言葉。
”あなたを見て日本人のイメージが変わった”
これ、嘘だと思いました。
あなたの言葉のひとつひとつを落とさないように、本気で受け止めようとしていたわたしは、言葉の本音と建前を気づけないほど、鈍感ではないよ。
綺麗にまとめようと思ったのかもしれない。
ちょっときつかったかな、って気をつかってくれたのかもしれない。
でも、わたし達はお互いのことをよく知らない。
そんな中で、彼女が選んでわたしに向けた言葉は「hate」だった。
英語は第二言語であることを考慮しても、ものすごくものすごく強い言葉。
ちょろっと話した数回の印象だけで、それが一体どう変わったというのだろう。
まさか、そんな軽い想いで、わたしの目をまっすぐ見て、hateと言ったわけじゃないでしょ?
最後の一言は、最初の一言以上にショックでした。
「I hate Japanese」と一人の日本”人”に面と向かって言っておきながら、「でもあなたのおかげで」と上辺だけの言葉で締める。
シャッターを完全に閉められたような気がしたのです。
でも、そんな想いは何も言いませんでした。
だって、わたしは彼女が「I hate Japanese」という考えに至ったまでの理由、イルカ漁のことを何も知らない。
情けないなら、悔しいやら、ショックやらで、船を降りてインターネットを手に入れてから、ずっと調べてました。
そして、彼女が言っていた意味がやっとわかりました。
約400年も前から、和歌山県の大地町は、イルカ漁を伝統や食文化として栄えてきたみたい。
東京だと、イルカ肉として売られているのはほとんど見ることない(見たことない)し、その問題に触れる機会も少ない。
どこかで聞いたことはあったのかもしれないけれど、わたしが自分自身の、日本の問題として考えたことは一度もありませんでした。
でも、それが海外でものすごく批判されていて、イルカ漁シーズンになるたびにヨーロッパではものすごく大きなニュースとして取り上げられているんだって、ヨーロッパ人に教えてもらいました。
「イルカは知的な生物だし・・・」
でもそれなら豚は?豚も知的な生物だけど、たくさんの人が食べているし、それによって差別的なことが起こるなんて、ほとんどないじゃない?イルカと豚は何が違うの?ほかの動物は?何が境界線で何が境界線じゃないの?生態系に被害を及ぼさないこと?
「こんなに世界中で批判されているのに、何でやめないの?」
そんなに世界中に批判されているのなら、個人が個人に「I hate Japanese」なんて言われるまでに嫌われるのなら、もういっそやめたらいいんじゃないの?イルカを獲らないと、今でも他の漁業に影響があるの?ほかに食べ物がないなんてことはこのご時世でないと思うし、あとは職の問題・・・?
外国人とそのことについて話したり、日本のネットやポッドキャストなどを見たり聞いたり、ものすごく考えました。
でも、その度に問いかけばかりが出てきて、これだなんて強い想いは出てくることがありませんでした。
大地町でのイルカ漁業に対する和歌山県の公式見解(公式ホームページに飛びます)
和歌山県は、イルカ漁に対する公式見解をホームページに載せています。
これを読んで、ますますわからなくなりました。
「もういっそやめたらいいのに」と、「和歌山県が言っていることもわかる」がうねうねと頭の中を巡って。
しばらく日数が経ってから、同じボートツアーにいたオランダ人のロナルドに、イルカ漁の事、彼女に大嫌いだと面と向かって言われたことを話しました。
「え、あいつそんなこと言ったの?お前に?」
「うん」
「う、はーーー、それはすげーな(笑)」
「でも、わからなくも無いなって思ったよ、ショックだったけど」
「まぁあいつ本当に日本嫌いって船の中でも言ってたし」
「あー、お互いにオランダ語で話せるもんねー」
「misakiが楽しそうにしてるのもフェイクだって言ってた(笑)」
「は!?なにそれ!?」
「ほら、テンション低い時と高いときの差が」
「船酔いのことかー!!?」
「日本人は俺ら以上に周りを気にするんじゃない?って俺は言ったけど」
「ああ、なるほど。確かにそういうところはあるな・・・」
「まぁそういう人間なんだよ。個人と国を一緒にするのどうかと思うけど。で、」
「日本のやってることに対する、お前の意見はなんなの?」
まっすぐ、目を見て聞かれました。
ベルギーの彼女に「日本人が大嫌い」と言われた時と同じように。
日本のやってることに対する、わたしの意見?
「わ、わからないよ・・・、難しい・・・」
「ふーん・・・」
いま、はっきり分かっているのは。
こんなに目をまっすぐ見つめて言ってくるのは、きっと彼らが意見や考えを持っているからだ、ということ。
それが「こうこうこうだから日本人大嫌い」という意見や考えてあっても。
いま、はっきり分かっているのは。
自分の中の「どうでもいい」をなくしたくて、ひとつでも多くのものを自分の経験と実感を持って伝えられるようになりたくて、こうして世界に出たけど・・・
まだまだ自分の中で「どうでもいいな」と思っていることが、たくさんあること。
そして、それは世界の中で、誰かの中で、決してどうでもいいことなんかじゃないこと。
目を泳がせて言葉をつからせる私を見て、ロナルドは言いました。
まぁいいや、次に聞くまでになんか用意しておいてねー、と。
ロナルドとは、ボートツアーが終わった後にも再会したので、成り行きでしばらく一緒に旅をしていました。
彼は本当に、ものすごくダイレクトに物事をいいます。
例えば、「これみんなと別れたら寂しくなるなー」って言っても、「え?そう?俺は別にならんかな」とか、じゃあまたいつか!って時の別れ際に「ちょっと待て、お前この代金俺に払ってなくない?」 とか(笑)
そのロナルドと二人で歩いている時に、彼がボートツアーから私に再会するまでに間、一緒に旅をしていたアメリカ人と偶然再会して、その人をわたしに紹介してくれました。
「どこ出身?」
「日本だよー!」
「おー、日本に行ったことあるよ〜♪」
少し会話をした後に、おじさまと別れました。
そして「フレンドリーな人だね!」と言ったわたしに、ロナルドが少しためらって言ったのです。
「まぁ彼もボートの中で日本が嫌いだって言ってたけどな」
ドガン、と、何かで頭を殴られたような気がしました。
また・・・?
今までは「日本出身です」っていうと、いい反応が返ってくることが多かった。
あの、フレンドリーなアメリカ人のおじさまのように。
でも、そのいい反応をくれたおじさまは、実は日本のことが嫌い(戦争の話だと思うけど詳しくは聞かなかった)で、船の中で色々と話していたみたい。
おじさまがいい反応をくれたのは、国と個人を切り離して考えているからかもしれないけれど・・・
自分が思っていたよりも、ずっとずっと、日本は嫌われているのかな?
立て続けに、日本を嫌いな人に会う。今まで、気づけなかっただけだったのかな。
そりゃもちろん世界中から日本が好かれているだなんて思ってはいなかったけれども、でも・・・だめだ、なんか泣きそうだ。
「ショックだった?」
「そりゃあ。でもいいよ、事実でしょ。教えてくれてありがとう。」
「言うか、悩んだけど・・・」
「・・・・」
「まーー、俺は超ナイスな日本人にあったから一概にそうとは言えないよ、って言ったけど!」
「はは、ありがとう」
再び言われた、”あなたに会ったから”。
ロナルドが向けてくれた言葉は、ベルギー人の彼女が言った言葉とは違っていて、嬉しくて、ますます泣きそうになりました。
外国人と話していると、時々こういう話になることがあります。
嫌いだと言われたのは、初めてだったけれどお、今までに何回も捕鯨の話になったし、戦争で日本がしてきたことの残虐さや、戦争謝罪の話、学校で行われる歴史教育の話が出たこともあった。
今まで「めんどくさいな」とか、「どうでもいいじゃん」と避けてきた話を、次々と投げかけられ、そして日本人としてそれに対する意見を求められる。
その度に自分の無関心さと無知さに恥ずかしくなり、必死に調べて自分の意見を組み立てて、でもそんな付け焼刃じゃ何も語れないことを痛感して。
「なんでその国が嫌いなのか」と言う部分は、個人でどうにかできる問題じゃないことが多いけれど、だからこそ、もっと世界の中での日本のことを知って、もっといろいろ考えて、自分がどう感じてどう思うのかを知りたいなと、強く思うのです。
知りたい。
けど、
この頃から私に芽生えた「思っていたよりも日本は嫌われている」という考えは今でも根深く張っていて、あの時真正面から「I hate Japanese」と言われた出来事が、消えません。
最近では、「日本出身です」を顔色見ながら言うようになっているような気がします。
どうなんだろうな、これは・・・
でも誤解しないで欲しいのは、日本って実は案外嫌われているんですよ、を強調して言いたいわけでは、決してありません。
本当に日本のことを好きだと言ってくれる人や、日本を好きになってくれる人に、何人にも、本当に何人にも、出会ってきました。
そんなポジティブな部分を世界中でたくさんもらってきた中で、もっと違う側面からも日本のことを考えろと、学べと、気づかせてくれたこの出来事に、感謝しています。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
次は、コモドドラゴンの話を書きますよー!楽しくね!
それでは、またね。
★10,000ルピア=83円
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